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1.行動ステージを用いたコミュニティーでのHIV予防啓発活動の評価-大阪地域でのゲイ向け商業施設利用者への質問紙調査から-(金子典代、他)
本研究では、1)大阪地域のゲイ・バイセクシュアル男性におけるコンドーム使用の行動ステージの分布を明らかにすること、2)行動ステージと検査行動、知識、感染リスク認識、ゲイCBOの予防介入プログラムへの接触、HIV感染予防への態度や規範の関連を明らかにすることを目的とした。
質問紙調査(2005年実施)は、ゲイCBOが啓発資材を配布している商業施設の協力を得て実施し、601件の有効回答を得た。コンドーム使用の行動ステージは1)無関心期、2)関心期/準備期、3)行動期/維持期の3群に分類した(図13)。行動ステージ別の検査受検、知識や感染リスク認識、ゲイCBOのプログラムとの接触、HIV感染予防への意識、態度や規範との関連を分析した。

(結果)
ゲイCBOが配布した啓発資材の受け取り率は、全ての行動ステージ群において70-80%を超えていたが、勉強会や啓発イベント等への参加や認知、検査受検は、行動/維持期のものの方が他のステージより高かった。HIV感染予防への態度、規範は、行動ステージと有意な関連が見られ、“周囲でコンドームを使用する友達が多くなった”といった規範を感じているものは維持期に多かった。また、HIV感染の楽観視を身近に感じているものほど、その場限りの相手とのコンドーム使用において無関心期に近い行動ステージにあった。付き合いが長くなった時、ドラッグやアルコール使用時はコンドーム使用が困難に感じると回答したものの方が、無関心期に多かった。対象者におけるステージの分布と、各ステージ群別のゲイCBOプログラムの浸透度を経年的に測定することで、介入が届いていない層の明確化と、予防啓発の評価が可能になると考えられる。
2.大阪地域の予防介入プログラムの評価とHIV感染予防行動の関連要因に関する研究(市川誠一、他)
大阪地域の商業施設を利用するMSMを対象者に質問紙調査を行い、MASH大阪の予防介入資材・プログラムの浸透度、HIV感染予防行動への価値観や規範などのHIV感染予防に関連する要因を年齢層別に評価した。
(結果)
MASH大阪がコミュニティペーパーSaL+等の資材を配布している商業施設に調査協力を依頼し、近畿居住のMSM966名の回答を分析対象とした。年齢層を20歳未満、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50歳以上の5つのカテゴリーに分類し分析した。
過去6ヶ月に読んだゲイ関連雑誌は年齢層によって異なり、またPCネットや携帯サイトは年齢層が高くなるにつれて利用率が低くなる傾向にあった。
コミュニティスペースdistaの認知は38.8%で2005年調査(28.8%)より高く、特に若い年齢層で認知率が高くなっていた(図14)。またdista訪問の割合も2005年の5.2%に比べて2007年調査では37.1%と著しく上昇した。
啓発イベントPLUS+の認知は、2005年調査の26.4%に比して55.9%と2倍以上に上昇した。年次毎のPLUS+参加率は上昇し、2004年(14.6%)に比べて2006年の参加率は26.5%であった。

distaで実施しているグループレベルのプログラム認知率は10-20%で、参加した割合も1-2%と低いが、各プログラムの参加率は年齢層で差異があり、step、cafe chatは若い層、語学教室、手話教室などは高い年齢層に多い傾向であった。
コミュニティ情報誌SaL+の認知率は63.7%とほぼ2005年調査と同率であった。しかし2007年調査では50歳以上の年齢層でも54%の認知率であることがわかった。
HIV関連知識の正答率は2005年調査とほぼ同程度であった。50歳以上の層はいずれの項目も他の年齢層に比して正答率が低かった。
生涯のHIV検査受検率は53.6%で、50歳以上は26.4%と低かった。過去1年間のHIV抗体検査受検率は29.1%で、20歳代は34.0%と高かった。
HIV検査の受けやすい場所は、病院・医院を挙げる者が37%と最も多く、検査に行きやすい曜日は日曜日28.2%、土曜日22.8%、月曜日9.7%で、時間帯は13時から17時40.9%、18時から20時36.2%であった。
生涯の性感染症に罹患経験率は37.3%で、40歳以上において高かった。過去1年間の性感染症罹患経験率は5.9%で、若い者ほど高い傾向にあった。
過去6ヶ月に特定パートナーとアナルセックスを行った割合は52.3%で、コンドーム常用率は挿入時では35.8%、被挿入時では32.9%であった。過去6ヶ月にその場限りの相手とアナルセックスを行った割合は40.6%で、コンドーム常用率は挿入時45.7%、被挿入時40.8%であった。
特定相手とのセックスにおけるコンドーム常用意図は低く、その場限りのセックス時の常用意図が高い傾向がみられた。また、年齢の高いものほどアナルセックス時のコンドーム常用意図は低く、「相手からコンドームなしでセックスをすることを求められると断りにくい」の回答割合が高かった。
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