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1.2005年-2007年NLGR・HIV抗体検査会の受検者特性の推移-受検者への質問紙調査結果から(金子典代、他)
2005年、2006年、2007年のNLGR・HIV抗体検査受検者に実施した質問紙調査のデータをもとに、受検者の基礎属性や過去の検査受検行動、受検動機、ゲイ向けサービスの利用、性行動とその関連要因の実態の推移を明らかにした。
(結果)
2005年は396名、2006年は461名、2007年は519名からの有効回答を収集し、回収率は95%を超えていた。基礎属性の分布は3年間を通して著名な変化は見られず、東海地域に居住する20-30歳代のMSMが最も多く75%以上を占めていた。
過去1年間にHIV抗体検査を受検したものが3年ともに全体の半数近くを占めていたが、その受検場所としては前年のNLGRを挙げているものが最も多く、過去1年の検査受検者のうちの70%近くを占めていた。生涯初めて検査を受検するものは、受検経験があるものと比較してお友達を通じて検査会を知ったものが多く、友達と一緒に受けるから、情報に触れて心配になったことを受検理由に挙げるものが多かった。Angel Life Nagoyaの予防啓発プログラムへの参加や認知は年齢が高い方が高く、携帯系出会い系サイトの利用は若年層の方が高かった。セックス時の併用品や利用するゲイ向け施設等にも経年変化が見られ、薬物の過去6ヶ月の使用とゲイバー・クラブの利用は、2005年と比較して2007年は低かった。
生涯で初めて検査を受検するものは毎年約25%にとどまり、過去のHIV抗体検査受検経験は、NLGRを挙げるものが毎年最も多く、連続受検者も増加しており、地域での保健所等の検査利用に結びつきにくい実態が明らかとなった。このことは、継続的に無料の臨時検査会を連続実施することの欠点であるとも考えられる。また、臨時に開催する検査会は継続が保障できるものではないため、今後は地域で提供されている検査サービスをより利用しやすいものにすることが求められる。特に2007年の調査結果から、MSMの保健所のHIV抗体検査の受検を希望するものの割合は高く、現在の保健所検査の利用の最も大きな障壁となっている検査日や時間が限定されていること(図10)を解消すれば、より多くの受検者が地域の保健所を利用する可能性が示された。本年度の研究で明らかになった、東海地域に居住するMSMのニーズをふまえ、よりMSMが受検しやすい検査体制への整備と利用者拡大に向けた情報提供を行っていく必要がある。

2007年の調査で、HIV陽性と診断されアンケート記入があった11名のうち、5名は東海地域外に居住する者であり、過半数が検査経験を有していた。2007年の全受検者におけるHIV陽性割合は2006年より低下したものの、HIV陽性者の10名がHIV感染の可能性があると質問紙に回答していた。地域においてはMSMへの検査機会の一層の提供と共に、陽性者への相談等を含めた体制の構築が望まれる。
2.HIV検査機関におけるMSNの受検動向(岳中美江、他)
MSM受検者の動向の把握およびMSMへの予防介入による効果を受検行動の側面から評価するため、大阪・土曜日常設HIV検査事業において受検者に対して質問紙調査を実施した。
(結果)
質問紙調査の協力者全体のうちMSM受検者は約2割(同性間性的接触を感染不安要因として受検した男性は2004年333人、2005年430人、2006年373人)を占めていた。
また、MSM受検者中の質問紙調査の回答率から推定したMSM受検者中のHIV陽性割合は3.9~4.7%(図12)、梅毒検査を受けかつアンケート回答が得られたMSM受検者のうちTPHA陽性と判定されたのは9.5~13.2%、クラミジア抗体検査を受けかつアンケート回答が得られたMSM受検者のうちIgG抗体陽性と判定されたのは9.9~11.7%であった。

MSM以外の受検者の7割がインターネットにて当検査機関を知ったのに比べ、MSM受検者はインターネット以外からも情報を得ていた。特にMASH大阪の啓発資材等が検査相談についての情報源になっていることが示唆される。MSM受検者のHIV受検経験率や相談利用経験率はMSM以外の受検者よりも高く、心配なことがあってから比較的早い時期または定期的に、自身の感染リスクを意識して具体的な動機をもとに検査相談を利用している傾向にあると考えられる。これらのことやMSM受検者中の陽性割合を鑑みると、この検査機関は関西地域のMSMに対して早期検査、医療機関や相談支援へのアクセスのひとつの機会となっていると考えられる。また、過去6ヶ月間のアナルセックスにおけるコンドーム常用率は2005年36%に比べて2006年は50.9%と高率になっていた。今後も動向を継続して観察する。
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